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苦しみも、喜びも、分け合って
家学でスタディパートナーを初めて3年になり、4人の子どもを支援してきましたが、最もこころに残っているのは、当時16歳だった高校を辞めた生徒でした。名門の中高一貫校に通っていましたが、中学1年2年3年とどんどん成績が下がるばかりで、やっと高等部に内部進学しましたが、高校1年の冬に退学を決めてしまいました。僕が彼と会ったのは学校の暦なら春休み近くでした。スタッフの方と一緒に初めての授業に向かいましたが、第一印象では正直びっくりしてしまいました。とても肌が白く、消え入りそうな雰囲気で、眼にはクマを作っていました。最初は蚊の鳴くような声でぽつり、ぽつりとしか声は出てきませんでしたが、数か月通って行くうちに口数も増え、笑ってくれるようになりました。
彼が本音を語ってくれたのはさらに数か月先のことになりましたが、「自分は中学受験で擦り切れてしまった。夢はもうどこにもない」と打ち明けてくれました。僕はそれを聞いた時、16歳の子どもがもう夢見ていないと思い、とても胸が苦しくなりました。そんな彼に自分が何をしてあげられるだろうと自問自答の日々が続きました。
しかし、一緒に悩むことも、一緒に笑うこともスタディパートナーの役目なのだと決意した日から少しずつ彼も変わってくれたと思います。その日々はとても辛かったけれども、一緒に悩んだ時間が彼との友情を育んでくれました。今は二人で決めた新しい目標―高校卒業程度認定資格試験に向けて勉強中です。これからもきっと悩むときがくると思いますが、その時はまた二人で乗り越えて、そしていつかは彼がひとりで山を越えられる日まで応援していこうと思います。 |
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変化
私は学校生活というものを大切にしています。寝る時間を削って塾に行ったり、テストに向けた学習に疑問を持っていました。しかし、様々な理由で現在学校に行くことができない子がいて、それでも勉強を続けたいと思う子がおり、学校外での学習の場について知りたくなりました。
私は1週間に2時間、理数の勉強をして趣味やテレビの話、好きな芸能人などの話をします。この数カ月は担当する中学3年生の子に大きな変化がありました。初めは緊張していましたが、あるきっかけで好きな場所に一緒に買い物に行った時から、私への対応が変わり、今までよりもたくさんのことを話してくれるようになりました。
過去を振り返ると苦しい思いをしながら学校に向かう自分がいたことを思い出しました。偶然ですが、今回学校に行くことができなくなってしまったことと同じ理由で私も苦しんでいました。ご家族の方の努力や、本人の苦しみを考えると涙がこぼれる時もありましたが、話を聞いて笑ったり、自分のことをどんどん話すようになってからは訪問することを最優先に考えるようになり、次に会える日を楽しみにしている自分がいました。
私は毎日「ネタ集め」をしています。授業で使えそうなことや、たとえ話になることをわかりやすく、吸収しやすくなるように、また、多くの笑顔を見ることができるようにしています。そのような中で、私自身も数多くのことを学びました。
学校に行けるようになることはもちろん目標にはなりますが、それ以上に自分をさらけ出し、素直になること、教科書にはないことを豊かに学び、相手の気持ちを考え豊かな人間関係を築くことの第一歩になると思います。 |
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兄であり、先生であり、友達でもある
小学六年生の男の子を担当して、もうすぐ一年です。
初めて会ったとき、彼は顔を合わそうともせず、机の下で泣いていました。それが今は、お互いにあだ名で呼び合い、一緒に遊んだり勉強したりで一回の訪問があっという間に感じるほど仲良くなりました。学校にも行くようになりました。
僕が最初、スタディパートナーとして心がけたのは、彼の「学校に行きたくない」という気持ちをまず全部受け止めてあげるということでした。
「行きたくないんだ。そうなんだ。そりゃ行きたくないよね」
そこから始まる関係でした。
彼が持っている良い気持ちも嫌な気持ちもなるべく受け止めようと接してきたからこそ、今のようにお互い心を開いて関わり合える仲になれたのだと思います。
年は違う、勉強は教えるけれど強要はしない、遊ぶ時は思いっきり遊ぶ。
そんな、兄と先生と友達のいいところを全部足したような存在になりたいと思っています。 |
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幸せな時間
私は小学生の女の子を担当して5カ月ほどになります。
初めて出会ったとき、彼女は私の様子をうかがっているようでした。でも彼女は、本当はおしゃべりが大好きな、元気で明るい女の子。日々のあらゆる出来事を誰かに話したくて話したくて仕方なかった様子。どんどん会話は弾み、いつも気が付いたらあっという間に時間が過ぎていました。
そんな彼女が最近、私に疲れたような表情を見せたり、愚痴をこぼしたりするようになりました。常に笑顔だった最初の頃とは、様子が違います。
でも私は、それが彼女との関係が深まったことの証だと感じています。彼女が私に本音を見せてくれているのです。
そして、最初暗い表情をしていた彼女が、気が付くといつの間にかいつもの明るい表情になっていて、「また来週も来るよね?!やったぁ!」と笑顔で見送ってくれる。
彼女と楽しく会話をしている時、彼女が本音を打ち明けてくれる時、そして、彼女の笑顔に見送られて帰る帰り道。そのすべてが、私にとって、なんだか心が満たされるような、温かい気持ちでいっぱいの、幸せな時間です。 |
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スタディパートナーであること
私は中学2年生の男の子を担当して1年になります。
私はもともと家庭教師の仕事をしていたこともあり、同じようなものだろうとこのスタディパートナーを始めました。・・・が、そんな私の考えとはまったく違った現実が待っていました。
その男の子はゲームが好きで、たわいない会話なら普通にしてくれるとてもいい子なのですが、どこか1歩引いているというか、自分の事や自分が思っていることとなると決して話してくれず、私に対して壁をつくっていました。最初のころはその壁を取り払うことに躍起になり、悩み、落ち込みました。それでもいつか心を開いてくれると信じて毎週通い続けました。
正直、通い続けて1年になる今でも完全に壁を取り払うことができたとは思っていません。しかし、以前より確実に壁は薄くなっているという実感があります。時間はかかるけれども、必ず壁は取り払えると信じています。
今では勉強以外にも、2人で近くを散歩したり、川まで釣りをしに行ったりして、まったりとした時間を過ごしています。あれだけ話したがらなかった自分が今思っていること、例えば今後の進路についてどうしたいのかも、少しずつですが話してくれるようになりました。スタディパートナーである私にとって、些細でもプラスの変化があることは大きな励みになります。たとえほんの少しでも自分がその子に何かをしてあげられていると感じられるからです。
しかしこれまでスタディパートナーをやってきて、ただ与えるだけでなく、私自身学ぶこと、得るものもたくさんあったと思います。これだけ濃密にひとりの人間と向き合っていく機会はそうそうありません。ここでの経験や得た自信は、今後自分の将来に大きなプラスとなってくれると思っています。 |
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パートナーとして
私は高校生の時に学校に行けない時期がありました。
今では将来教師を目指す者として、その時の経験を活かして、同じように悩んでいる子供達の力になれればと考えています。そんなときにこのスタディパートナーの存在を知り、始めることを決意しました。
私は今、小学生の女の子を担当しています。彼女と初めて会った時は、ほとんど口をきいてくれず目も合わせてもらえませんでした。私がどんな人間なのか不安だったのだと思います。そして毎週訪問を続けて彼女に話しかける中、3ヶ月が過ぎました。
今ではお庭の植物を紹介してくれたり、彼女の好きな本やアニメの話をしてくれます。初めて彼女から話しかけてくれたときの嬉しさは今でも忘れません。帰り道で無意識に鼻歌を歌ってしまったくらいです。
まだ私と彼女の関係は始まったばかりですが、私と触れることで彼女が自信を持てるようになってくれればと思います。そしてその自信を基に、彼女が自分らしく歩みだすまで支えていきたいです。 |
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不登校の子どもと向き合って
私は将来教員を志望しています。教員になるうえで、不登校の生徒と接することは十分あり得ることです。今支援をすることが、私自身、不登校の子どもたちから学ぶことも多いだろうと考えて、スタディパートナーを始めました。今の生徒(中学2年生)はもう1年ぐらいの付き合いになるのですが、もちろん、うまくいかないこともたくさんあります。復習するように言っても、宿題を出してもなかなかこちらが思うようにはやってきてくれません。
しかし、彼と接していくうちに、様々なことを学べました。彼は勉強しなければいけないということは分かっているのだが、なかなか出来ていないこと、学校に行きたいという気持ちがあるのに体が行くことを拒むことなど、私たちに共通するものでもあり、尊重しなければいけない部分もたくさんありました。
彼と向き合ってから、私個人としても貴重な体験をさせて頂いています。この先も、楽しく訪問できていければと思います。 |
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子どもたちと一緒に楽しむ
僕が家学を通して不登校の子どもたちとの付き合いを始めてから1年近くになります。僕がスタディパートナーを始めたきっかけは、僕自身が大学で心理学を勉強しているので、そのことを生かして実際に子どもたちの助けになりたいと思ったからです。だから、最初の訪問の時には子どもとの付き合いについて難しく考えすぎていたように思います。でも、実際の訪問での子どもとの付き合いは思った以上にシンプルでした。
スタディパートナーは家庭教師ではありません。だから、訪問の時に子どもと一緒に遊ぶことだってあります。そういう時に大事なことは、素直に子どもと一緒に楽しむことだと思います。だから、この1年でたくさんの楽しい経験もさせてもらいました。僕は子どもたちがまた学校に通うようになってくれたこともすごく嬉しく感じたけど、子どもたちが僕のことを受け入れてくれて、一緒に笑ってくれた時も同じくらい嬉しく感じています。これからも、そのように子どもたちと笑いあって、助けになれるようにしていきたいです。 |
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思い出の1日
私は家庭教師をして今年で6年目になります。
学校へ行けず苦しんでいる生徒を長く担当し、やりがいを感じ、同じように悩んでいる生徒にもっと出会いたいと思い、家学に登録しました。
今教えているのは中学2年生です。ある時「先生と遊びに行きたい」と誘われ、嬉しくてすぐOKしました。しかし、誘われたのはアニメキャラクターのコスプレイベント。生徒はアニメや漫画が好きなので、授業ではキャラクターを使って英語の例文を作ったり、一緒に漫画を描いたりしていますが、コスプレは予想外。生徒のためと思い挑戦した当日、いつもの授業とは違ってメイクも衣装も今日は私が教えてもらう側。「先生」と呼ばれていたのがいつの間にか「アキちゃん」に変わり、顔が緩みます。写真を撮ってクタクタになって、気付けば生徒のためと言いつつ自分もすっかり楽しんでいました。帰り際に「今日はありがとう!また行きたい」と言ってもらえたのは最高の思い出です。
どんな生徒も悩みを簡単に打ち明けることはできません。厚い壁を前に私のやるべきことは何かと考えることもありますが、今は生徒の好きなものを本気で一緒に楽しむことで信頼関係を築こうと試行錯誤する日々を送っています。 |
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成長の証
僕は担当している生徒(小学6年生、男子)と過ごす2時間の大半を一緒に遊びます。
生徒と彼のお母さんと3人で遊ぶのです。UNO、トランプ、ボードゲーム、TVゲームなど、とても盛り上がる日もあれば、1時間半で終わってしまう日もあります。僕たちは、遊びの初めはいつもUNO、気分が乗ってきたら他の遊びへと移る
そのパターンを半年間続けてきました。
そしてそのパターンの繰り返しの中に、確かな生徒の成長を感じ取ることができるのです。例えば一言も発することなく、UNOをしていたその子が母親を通じてではあるけれど、少しずつ自分の意見を言えるようになったり、時に楽しそうな表情を浮かべたりです。他の人から見れば当たり前で物足りなく感じるかもしれま
せんが、僕はその小さな1歩1歩に喜びを感じます。最初の頃の無表情で、閉鎖的なその子を知っているからこそ、その成長の大きさに気づくのです。
生徒が8カ月ぶりに登校する日。母親と何時間も話し合った後、
「どうすればいい?どうすれば行けるようになるの?」
と何度も何度も聞き、勇気を振り絞って学校に行ったとき、僕はそれだけの勇気を出したその子をとにかくほめてあげたい気持ちになりました。
学校へと戻ることが一番重要なことだと思っているわけではありません。小学生にとって最も大切なことは、人と接することに楽しさを感じられるようになることだと思っています。その子が僕と遊び、嬉しそうな表情を見せてくれることにやりがいを感じます。 |